遺言に関するQ&A

                      

Q.相続人以外の人に財産を残したい場合は?

〜 財産を相続できるのは相続人だけですが、遺言をすれば、相続人以外の人に財産を残すことが可能です。

 遺言によって特定の人に財産を与えることを遺贈といい、遺贈される人を受遺者といいます。

 ただし、全財産を相続人以外に与える遺言を残しても、相続人には遺留分という権利があるため(兄弟姉妹が相続人の場合除く)、相続人から請求があれば、一定の割合で、相続人にも分ける必要があります。

 

                            

Q.検認手続きとは?

〜 遺言書(公正証書遺言を除く)の保管者または発見をした相続人は、その遺言書を家庭裁判所に提出して、検認手続きを請求しなければなりません。

             

検認の目的は次のとおりです。

@ 相続人に対し、遺言の存在及びその内容を知らせる。

A 遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など遺言書の内容を確認して、遺言書の偽造・変造を防止する。

 

検認はあくまで、遺言書という証拠を保全する手続きで、遺言の有効・無効を判断する手続きではありません。

                 

また、封印のある遺言書は家庭裁判所において、相続人またはその代理人の立会いのうえ、開封しなければなりません。

検認を受けずに遺言を執行したり、家庭裁判所以外で封印のある遺言書を開封した者は、5万円以下の過料に処せられますので、注意が必要です。

 

                                  

Q.複数の遺言書が見つかった場合は?

〜 2通以上の遺言書があって、前の遺言と後の遺言との内容が矛盾するときは、矛盾する部分については、後の遺言で前の遺言を取消したものとみなされます。

問題となるところを見ていきましょう。

        

@ 2つの遺言書が同じ日付の場合

〜 時間的に後のものが優先します。遺言書に時間まで記入してあればよいのですが、そうでないときには記載上、あるいは記載外の事情によってどちらが後かを決めることになります。

       

A 自筆証書遺言と公正証書遺言というように方式の違う場合

〜 それぞれの方式において適式であれば、その方式のいかんは効力に影響しません。

方式の違いに優劣関係はありません。

         

B 前の遺言と後の遺言とが一部のみ食い違う場合

〜 食い違った部分のみ取消しされて変更されたことになります。食い違っていない部分については、前の遺言がそのまま効力を有します。

 

                     

Q.遺言は撤回したり取消したりできるのか?

〜 一旦、遺言がなされたとしても、遺言は自由に撤回・取消しができます。

           

この遺言の撤回には3つの方法があります。

 

@ 後の遺言で撤回する方法

〜 新たに遺言をして、その遺言書のなかで、前の遺言を撤回すると表明する方法です。

  直接で最も明確な方法です。

  撤回を争われる恐れもありますので、後の遺言は公正証書のような、より厳格な方法ですることをおすすめします。

          

A 遺言書を破棄する方法

〜 遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については遺言を撤回したものとみなされます。

         

B 遺贈の目的物を破棄または生前に処分する方法

〜 遺言者が遺贈の目的物を破棄したときは、遺言を撤回したものとみなされます。

  例えば、古い建物を取り壊して新しい建物を建てた場合には、遺言は撤回されたものとみなされますので、誤解を招かないためにも新たに遺言をし直すべきです。

  また、遺贈の目的物を第三者に譲渡したときも遺言を撤回したものとみなされます。

                  

                 

Q.どんな内容でも遺言できるのか?

〜 遺言はおおむね 「人生最後の言葉」 (ただし、一回限りではありません)であり、老後の扶養の確保を意図したり、お世話になった人への感謝の気持ちを表す機会でもあります。

              

しかし、あまりそれを意識しすぎて、法律行為となる肝心の部分があいまいになってしまっては、残った遺族の間で、その解釈をめぐって紛争となってしましますので、この点には十分な注意が必要でです。

 

             

ところで、遺言でできる財産の移動などの法律的な事項は限られています。

               

民法で定められた遺言事項は次の12種類です。

これら以外を、遺言で書き残したとしても、単なる書置きにすぎず、法律がそれをバックアップしてくれません。

                    

 

 

〜遺言でできること〜

           

身分上のもの

 @ 認知

 A 後見人の指定、後見監督人の指定

 

                  

相続に関するもの

 B 相続人の廃除、排除の取消し

 C 相続分の指定、指定の委託

 D 遺産分割の指定、指定の委託、分割の禁止

 E 遺留分減殺方法の指定

 F 相続人相互の担保責任の指定

 G 持ち戻しの免除

         

その他

 H 遺贈

 I 寄付行為

 J 祭祀の承継者の指定

 K 遺言による信託の設定

         

           

Q.家族への思いも残したい場合は?

〜 家族への思いは 「付言事項」(ふげんじこう) で残しましょう。

    

遺言で出来る法律的な行為は、前述のように12種類に限られるのですが、その一方で、 「財産を誰に上げる」 という部分だけの意思のみはっきりさせようとするだけでは遺言者が 「人生最後の言葉」 として残したいものとしては不十分なものになりがちです。

      

家族への思い、希望を残したいとのニーズもこのところ多くなってきています。

 

              

記載方法としては、まず、第1条〜 から始まる法律的な行為の記載のあとに、「付言事項」として、家族へのこれまでの感謝の気持ちや、財産の振り分け方の理由などを書いていきます。

 

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